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注射部位反応などの対処法

監修: 東北大学医学系研究科 多発性硬化症治療学講座
     教授 藤原 一男


インターフェロンベータ製剤のような免疫を調節する作用のある薬物を注射すると、注射した部位で局所免疫反応が起こることがあります。この反応は注射した部位が赤くなったり、少し痛くなったり、腫れたりする原因となります。ごく稀に重症になり、皮膚に強い反応が出たり、感染したりすることがあります。

これらの症状が起こる原因は、誤った自己注射法(同一部位への注射の繰り返し、冷たいインターフェロン溶液の使用、注射時に手が震えるなど)、注射部位の日光や紫外線への曝露、薬剤の刺激性などがあります。これらは正しい注射法をマスターし、同じ注射部位に続けて注射しないこと、そしてベタウェイなどの自動注入器の使用などで、リスクを抑えることができます。

一般的な対処法を以下に記載していますのでご参照ください。効果には個人差がありますので、ご自身の参考とされる際には主治医もしくは医療従事者に相談するようにしてください。


注射した跡が赤くなる、硬くなるなど

注射の後に圧迫感や痛みを感じた場合、注射針が適切な深さまで届いていなかったか、過去に皮膚反応があった部位に注射したことが考えられます。 このようなご経験をされた場合には、正しい注射手順を自己注射法マニュアルで再確認してください。 ベタフェロン皮下注射に適した注射の深さは13mm(体格によって:8~13mm)です。
注射針の長さは13mmですので、垂直に根元まで刺してください。 ベタウェイを使用される場合は、適正な注射の深さを設定することができます。


注射した跡が赤くなる原因としては、皮膚の浅い部分に薬液が入った可能性があります。皮膚の表面は外敵と接している場所であり、局所免疫反応が盛んです。そのため薬剤が皮膚の浅い部分に入ると皮膚が赤くなりやすいと考えられています。このような症状は通常1週間程度で軽減していきます。

またまれに注射した部位から感染することもありますので、注射前の手洗い等、清潔操作に心がけるようにします。


このような症状でお悩みの方は以下の注射手技における注意点をご参照ください。


①注射部位を毎回変えます。
※腫れやくぼみ、痛み、変色などが見られる部位への注射は避けてください。

②調製前に石鹸を使用して手を洗うなど清潔に注意します。

③注射部位を消毒用アルコール綿で消毒し、自然に乾かします。
 ※アルコールは速乾性があります。乾燥していない状態では殺菌が不十分である可能性があります。

④ベタフェロンの調製が済み、注射針を最後に取り付けますが、その際に針の中の空気を抜かないでください。

 ※注射針の周りに薬液が付着すると、皮膚の浅い部分に薬液が残り、赤くなるなどの注射部位反応が強くでる可能性があります。

⑤皮膚に対して直角に根元まで注射針を刺します。
 ※皮膚の浅い部分に薬液が入ると赤くなるなどの注射部位反応が強くでる可能性があります。
 ※このとき注射部位の皮膚を強い力で持ち上げないでください。薬液が皮膚の表面に漏れかえる可能性があります。

⑥注射針を挿入したままで、薬液をゆっくり注入します。
 ※注入した後、手に震えなどの症状がない方では、一呼吸おいて注射針を抜きます。
 ※注入した後、手に震えなどの症状がある方は、手の振るえにより注射部位が刺激されますのですぐに針を抜くようにします。


注射部位反応の対処法

①注射の前後に約1~3分間、注射部位に小さな冷却用パット(保冷剤などを清潔なガーゼに包んで使用する)を押し当てると、薬液による皮膚の刺激が軽減されます。

②へそ、ウエストラインおよび太ももの内側など、皮膚や衣服などで注射部位が刺激される可能性のある部位への注射は避けるようにします。

③注射した跡に低刺激性の絆創膏を貼付すると、衣服による皮膚への刺激を和らげることができます。

④注射部位反応の対処法として、注射後注射部位を暖められる患者様がいらっしゃいます。その際には注射部位を清潔な絆創膏などで保護して感染などに十分ご注意ください。

⑤注射部位の赤み、痒み、または腫れなどは、ステロイド外用剤で治療することができます。症状について主治医とご相談ください。


注射した跡から出血する

注射した後に注射部位から出血しても心配しないでください。これらは正常な身体反応で、皮膚の微小な毛細血管を傷つけてしまったことが原因です。止血するまで2~3分間圧迫してください。 ベタフェロンは薬剤の性質上、たとえ血管の中に入っても安全性には問題ありません。


注射した跡が出血しやすい場合:
注射した跡から出血しやすい方では、注射の前後に約1~3分間、注射部位に小さな冷却用パットを当て注射部位を冷やすと止血の効果があります。

消毒綿を使用して圧迫止血する際には、消毒綿のアルコール成分が血管を拡張して止血に時間がかかるケースがあります。そのような場合には消毒綿を使用せずに絆創膏などに貼り変え、その上から圧迫するようにします。

また止血効果のある注射用絆創膏が市販されています。


ベタフェロン自己注射法チェックリスト

自己注射法マニュアル、DVDを確認し、注射手順をしっかり身につけるようにしてください。自己流にならないためにも繰り返し読んで、手順を確認しましょう。

また以下のチェックリストを利用して、注射手技をセルフチェックすることができます。是非ご活用ください。
ベタフェロン自己注射法チェックリスト

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